Hummming

フンフンフン

ヨシュアカムバックについて

ヨシュアカムバックを観ていると、息をするのを忘れてしまう。
「忘れる」というとさすがに嘘になるか。でもステージを追いかけることに夢中で
悠長に息を吸ったり吐いたりしている暇なんてない、とさえ思ってしまう。
下手を陣取り、キーボードとギターを操るよしこさんの歌を上手で受け止めて
呼応するように音を鳴らすドラム、ベース、ギター。


ヨシュアカムバックというバンドの持ち時間、通常であればせいぜい30分ほど。
けれどその30分間、会場全体の空気は、すべてよしこさんに掌握される。
彼女が囁くように歌うと会場に凪が訪れる。
直後にその凪を切り裂くような叫び。
平衡感覚を狂わせる変拍子
感情をコントロールできないと言わんばかりに振り回すギターで
竜巻のような何かがステージの中央に巻き起こる。
30分間、とにかくヨシュアカムバックというバンドに振り回されて息をする暇もない。


昨日もそんなライブを見せてもらった。そしてCDを買ってきた。
これで家でもヨシュアの曲が聴ける。曲とタイトルが一致するはず。わーい。


その程度の気持ちでCDを買った私が甘かった。


歌詞を読むと、ライブを観た時に感じたあの嵐のような感覚を思い出した。
ぐわんぐわんぐわん。とても強い嵐で、一向に太刀打ちできない。
まっすぐ立っているのも難しいような、油断すると足元をすくわれるような。
そうか、あの感覚はそもそも歌詞が持っているものだったのか。


「かっこいい」「気持ち悪い」
CDを聴きながら、ワンワードで感想を片付けた昨晩のことをひどく後悔した。
表向きのパフォーマンスだけでももちろん十分かっこいいのだけれど、
曲の持つストーリーに入り込むと、曲それぞれの陰影がより一層濃くなった気がした。


CDを聴きながら「あ、これは好きな曲」「ああこれもだ」「これも」
結局ヨシュアの曲は「好きな曲」と「初めて聴く曲」の2種類しかないことに気がついた。


ほんとかっこいいな、ヨシュアカムバック。好きだなあ。

>> ヨシュアカムバック