Hummming

フンフンフン

三番手のMVP

レイ・ハラカミが亡くなった。昨日の夜のことだそうだ。
私はその頃、ちょうど渋谷で仕事をしていた。
そろそろ切り上げて7thFLOORへ行かなくては、そう思っている頃だった。


昨日はhappleと春風堂、サード・クラスの3マンライブだった。
happleのベーシスト、中田さんが脱退する最後のライブということで
たくさんの人が彼らの演奏を観に来ていた。
声、メロディー、演奏、どれも素敵だったけれど、VJの映像が本当にきれいで。
音が止まる瞬間、映像が止まる瞬間が来ないような気さえした。
最後の一音を弾いた瞬間の中田さんは、ちょっと寂しそうに見えた。
「ああ、弾いちゃった」って。気のせいかもしれないけど。


春風堂は胸が締め付けられるようだった。
ライブ中にたびたび訪れる、まいこさんが「うふふ」って笑う瞬間は
とっても大好きで、とっても途方にくれる。何なんだあれは。
「午前三時のルースター」がもつ無敵感といい、いちいち魔法が強力すぎる。
パッと見、パッと聞きで油断させておいて
その後いきなり強力な魔法をかけてくるもんだから
その不意討ちに思いっきりやられる。まいった。


それで最後にサード・クラス。
いつだったか、ももちゃんが私にCDを貸してくれたことがある。
それが妙に忘れられなかったのだけれど、ようやくバンドで観ることができた。
一番最初から「駒場北四丁目」で、慌てて席についた。そう、これこれ。
「土壇場のパワー」は、何度か観た弾き語りでもはかまださんが歌っていた。
「生きている時に花が咲く、土壇場のパワー」
そのフレーズが何となく心に残った。
前後の歌詞は忘れたのでどういう文脈かは分からないけれど、
帰り道までずっと「ああ、そうかあ」と思いながら口ずさんでいた。


そんな音楽に浸っていた裏で、レイ・ハラカミが亡くなった。
まだ40歳だったそうだ。亡くなる数時間前までツイートが残っていたそうだ。
あまり多くの曲を聴いたことはないし、思い入れも深くないけれど
第一線で活躍する人が突然消えることをすんなり受け入れられるほど強くない。
レイ・ハラカミって、しんじゃうんだ・・・」
なんともばかみたいな言葉しか思い浮かばなかった。


「生きている時に花が咲く、土壇場のパワー」
土壇場のパワーは、生きてる時にしか出ないんだ。
サード・クラスはいいことを言うなあ、と思いながら、私はまた口ずさんでいる。