Hummming

フンフンフン

「友の会 その6」×無頼庵、の話

今日は雪が降りましたね。渋谷は昼間からかなりの猛吹雪でした。
もう3月なのでなごり雪になるんでしょうか。それにしても寒い日が続きます。


さて、早いもので「友の会 その6」まであと1週間を切りました。
今回関わってくれた方々とのつながりについて、少し振り返りたいと思います。


まずは無頼庵について。ぶらいあん、と読みます。
ざっくり言うと、大柄で、声の大きい、寡黙な、津軽訛りの、40歳のおじさんです。
私が彼を知ったのは、数年前まで毎年開催されていた
初恋の嵐のトリビュートライブ「対バンの嵐」でした。
このライブは、初恋の嵐と縁のあるミュージシャンやバンドが
初恋の嵐の曲を何曲かカバーしつつ競演するというものだったのですが、
無頼庵こと堀内さんのよく通った、伸びのある声は
例年異彩を放っていたことが強く印承に残っています。
対バンの嵐は3、4年ほど続いたものの消滅してしまい、
私もしばらくは無頼庵のライブを観ることはありませんでしたが
Twitter上で堀内さんを発見し、今もたびたびライブに出ているという話を聞いて
昨年の暮れ頃に新宿の紅布(レッドクロス)へ約5年ぶりに観に行ったのでした。
ごく静かに、照れ隠し半分でぽつぽつと喋るMCと
その反動のように感情を剥き出しにした演奏は相変わらず異彩を放っていました。


かつて対バンの嵐で演奏していた無頼庵の曲に
「行く末」という内省的な曲があって、当時ライブハウスで聴いたときは
あまりの迫力に思わず鳥肌が立つほど圧倒されたことが印象的でした。
曲名も知らずその記憶も遠く薄れていたのですが、
数年ぶりのライブで買った無頼庵のCDにライブ音源として
まさにその当時の「行く末」が入っていて、
何気なくCDを再生してこの曲が流れ出したときには
みるみるうちに数年前の記憶が蘇ってきて鳥肌が立ちました。
時を経てもなお、いや、時を経てさらに強く心に響く音楽。
そしてそれを聴く者へ届ける、時に激しく時に優しいギターと声。
堀内さんの曲は、同年代の曲とはまた違った響き方をするのです。


そしてもう1曲、無頼庵の曲で忘れられない曲があります。
「シンギン」です。

過ぎる時間 君が黙ってるから 僕は歌うよ 何度も 何度も
暮れて 滲む空を向こうに 呆れて 笑うまでのバラードを
無頼庵「シンギン」より


西山さんが亡くなってからリリースされたこの曲は、
堀内さんが彼へ向けて書いた曲なのだとか。
亡くなっても時は過ぎていく。二度と歌うことのない西山さんに
眼差しを向けつつ、「僕は歌う」と堀内さんが言うのです。
ポップなメロディーに乗せられたメッセージは
いったいどんな気持ちで歌われているのだろう。
初めて聴いたときからずっと考えていることですが、
そればかりは歌っている当人にしか分かりません。
けれども一つ言えるのは、今ここにいない人のことを歌っているのではなく
今ここにいる自分のことを歌っている歌なのだ、ということ。

次に向かう 君が黙ってるから 僕は歌う 僕は歌う
無頼庵「シンギン」より

今は亡き人のことを思い出しながらも、目線は明日へ向いている。
「Life goes on」なのです。
何だか、それがとても素敵だなあ、と思うのです。


無頼庵のライブはそう多くはないので(今月はかなり本数が多いようですが)
この機会に、彼の歌声を、演奏を、そして独特のMCをぜひ味わってみてください。
今を生きる無頼庵の姿と、その奥にある初恋の嵐への思いが感じられると思います。


ご予約はinfo.ockn@gmail.com]まで。
詳細はこちら↓
「友の会 その6 〜 初恋に捧げるナンバー 〜 」のおしらせ - 昼定日誌(特盛)