Hummming

フンフンフン

しぬこと以外はかすり傷

以前、BUG HOUSEのトイレに飾ってあったポストカードに
「死ぬこと以外はかすり傷」
と書いてあった。
それを見た日は結構酔っていたように記憶しているのだけれど、
そのポストカードのことだけはしっかりと覚えている。


「死ぬこと以外はかすり傷」
ものすごく感動したわけではないけれど、
妙に納得してしまった覚えがある。


そんなに怒らなくてもいいじゃん、と思うことがよくある。
もちろん小さな不満はいくらでもあるけれど、
声を荒らげたりぶちまけるような露骨な怒りはめったに持たない。
それぞれに立場があるわけで、逆の立場を考えれば合点がいく(場合もある)。
それに対する怒りに自分の貴重なエネルギーを使うのは勿体ない。
主な理由はまあそんなところだけれども、根本の発想は
「別にそれで死ぬわけじゃあない」
ということ。


打たれ弱い私はすぐにくよくよするし、どうでもいいことに余計な気を揉む。
でも大抵の問題は後で振り返れば些細なことだし、死ぬことはまずない。
自分が怒ると相手も怒る。怒りはせずとも雰囲気は確実に悪くなる。
怒るだけ怒って自分の気が済んでも、悪い雰囲気は残っていたりして、
それは誰のせいでもない、自分が蒔いた種だったりする。


何も無理して怒るのをやめる必要はない。
そんなことをしてフラストレーションを溜め込むのは身体によくない。
だから、「はー、なるほどね」と納得してくれた人だけ、
「死ぬこと以外はかすり傷」
という言葉を時々思い出してくれたらいいと思う。