Hummming

フンフンフン

ヒートランナーとプラマイゼロ

何だっけ、そうだ、「ヒートランナー」だ。


昨日の泥酔ツアーで、ヒートランナーになる夢を見た、という話を聞いた。
ヒートランナーというのがそもそもよく分からないのだけれど、
夢を見た本人いわく、全身タイツで街を走る当番制の仕事なのだそうだ。
街中を走っているヒートランナーの肩や背中を、街の人々がポンと叩く。
叩くことで、人々が抱えているいやな気分などが解消されるらしい。
そういう夢を見たという。


当たり前だけれど、ヒートランナーは実在しない。
でも、ヒートランナーのような人はいる。誰かの気持ちを軽くする人。
昨日は、そんなことを話す人もいた。
その時にはいまいちピンとこなかったけれど、
今日になってようやく、少しだけ分かったような気がした。


場を盛り上げるのが上手な、いつも周りを明るく照らす人が
今日はぐったりと落ち込んでいた。
「僕は足りないものや欠けてるところが多すぎる」
と言っていた。


そういう気持ちになることは、私もよくある。私には何もできない、と言う。
実際、卑下しているわけでなく、事実として、そう思っている。


でも彼は、そうは言っているけれど、私が見る限りそんなことはない。
仮に足りないものが多かったとして、それを補えるくらいたくさん
素敵な要素を持ち合わせていることを十分に知っている。
特に、私が持ち合わせていないものとか。


虹の足だな、と思った。


こんな時、普段は
「背景や事情を何も知りやしないのにフォローするなんて無責任だ」
と思って相手の気持ちが落ち着くまで黙って待つのだけれど、
何となく、今日は声を掛けた。
あなたの魅力はみんなよく知っているよ、と。
今日はあったかくておいしいものを食べるとよいと思います、お疲れさま、と。
その言葉が場に合っていたのかは分からない。
でも私が「何もできない」と言うときにみんなが
「そうでもないよ」と教えてくれるのと同じように、
今日は私が「そうでもないよ」と教えてあげるといいんじゃないかと思った。
たまたま今日はそう思っただけなんだけど。


ヒートランナーは何かを与えてくれるわけではない。プラスにはしない。
でもいやな気分を回収してくれる。プラマイゼロに戻す手伝いをしてくれる。
私も、プラスにしたいとまでは思わない。できるとも思っていない。
ただプラマイゼロに近付ける手伝いぐらいはできたらいいな、と思う。


うーん、分かんないな。うまく言えないけど。