Hummming

フンフンフン

桃と、夏のはじまり

友達夫妻の家に遊びに行った。
友達と友達が結婚して、友達夫妻。
二人の雰囲気に、夫婦っぽさはあまり感じない。
これは褒めても貶してもいないつもりで言っているのだけれど。
ともかく、友達夫妻の家に初めて遊びに行く。


手土産を選ぶ。
駅前のピーコックで桃がいい匂いを漂わせていたのでそれにした。
桃は、夏の暑さを鼻で笑う毛並みのいい猫みたいな感じ。
いつもあこがれ。いつも期待を裏切らないおいしさ。


まあ、要は、自分が食べたかったので桃を買って行った。


久我山の駅から住宅街を縫うようにして家へ向かう。ジリジリと暑い。
大家さんの家の2階を間借りした形だったけれど
築20年というわりにとってもきれいで、広くて、そして何より
部屋の随所に二人の好みや性格がよく表れているところがよかった。

「日当たりが良い分、夏は暑くて窓を開けられないんだよね」
明るい色のカーテンを通して差し込んでくる柔らかい光も、いい色だった。


桃を食べながら仕事の話や、住まいの話、家具の思い出の話。
桃はぬめっとしていて、甘ったるくて、みずみずしくて、いい匂いがした。
あと冷やしうどんをごちそうになった。とってもおいしかった。
エアコンを切って窓を開けたときに家の中を流れる風も心地良かった。


小川未明の童話集をもらって、最寄りのバス停まで送っていただいてお別れ。
なんか親戚の家みたいだったな。雰囲気も、距離感も。
二人は「また遊びにおいで」と言ってくれた。ありがとう。


小学生がぎゃー!って奇声を上げてはしゃいでいた。夏だなあ。