Hummming

フンフンフン

ラブメグpresents 月のにおい vol.2@青山月見ル君想フ

racoustikが宇宙遊泳と対バンだと聞いて、いてもたってもいられず
仕事を早々に切り上げて青山月見ル君想フに行ってきた。


月見ルはすごく変わったライブハウス。
地下2階にステージとメインフロアがあって、天井は吹き抜け。
地下1階はロフトというかバルコニーというか
階下のステージを覗き込むことができるつくりになっていて、
その吹き抜けで開放感溢れるステージ背後には大きな満月が佇んでいる。
赤や青や黄色のライトに怪しく照らし出される満月がそれはもう美しくて。
んでまた呼ぶ面子が毎度個性的で面白いわけ。
中華DUBの泰山に遊ぶがレコ発をやったり(寺尾ブッダ氏はここの店員さん)、
今は活動休止中のChester Copperpotが赤い光の中で暴れまわったり、
京都からKIMONO MY HOUSEがごくレアな東京ライブに訪れたり、
ここで聴いたまつきあゆむの「片思い」は妖艶というか気持ち悪いというか、よかったなあ。
かと思えばyoheyOKAMOTOが陽気な南国風のライブをやってのけるし、
パウンチホイールがオリジナルメンバーでのラストライブをしたのもここだった。
まあとにかく、そこいらのライブハウスとは一味違ったライブを見せてくれるお店。
フードメニューも充実していて沖縄料理がとっても美味しいし。


で、そんなハコでracoustikと宇宙遊泳。
どちらもすごく期待していたけれど、どちらも初めて観るので
「期待はずれだったらどうしよう」という不安も正直あったよね。
それでもどうして観ようと決めたのかと言うと、そこに初恋の嵐が見えたから。
宇宙遊泳のベーシスト、木村氏が以前言っていたことには
秋葉原GOODMAN(ライブハウス)のスタッフの方に、
 “宇宙遊泳は初期の初恋の嵐を思わせる”って言われた」らしい。
それにracoustikこと阿部仁氏は、初恋の嵐とかメロディオンズとか
あの辺の人たちがバンドを組む前後、大学や専門学校でうだうだやっていた頃に
高校生の時分で(彼らと)つるんでいたんだ、とアニから聞いたことがある。
初恋の西山氏にギター教えてもらったとか、確かそんな話。
言わば直系・初恋の嵐チルドレン。
今は活動をしていない初恋の嵐が、そこかしこで今も光を放っている。
人と人を、音と音を、私と未知の世界を、次々に繋げていく。
大好きな初恋の嵐なら信じてみてもいいかな、って。それで観に行くことにした。


2階から岩見十夢氏を数曲聴いて、フロアに降りる。
濃いめに作ってもらったジャスミンハイを飲みながら、スタートを待つ。
あ、始まった。
痩せ型で長身、メガネを掛けた阿部氏は、いつかPVで見た西山氏のように見えた。

  1. 昼間の月
  2. 音階と雨
  3. 手を伸ばす!
  4. ソファー
  5. たわんだ大気圧
  6. 早く君に

ステージにたくさんのバンドメンバー。
ベースにギターにパーカスにドラムにキーボード。
TWELLVEから脱退し独りでracoustikを始めた彼だけれど、
こんなにたくさんの人が集まってくれている。音楽性と人望の厚さなのかな。
今日は月見ルスタッフの方の企画「月のにおい」に呼ばれているので
それにちなんだ?「昼間の月」。
racoustikの曲はベースラインがいい。シンプルかつキャッチー。
それだけで身体が揺れるもんね。こういうの、すごく好きだな。
「昼間の月」は中村一義の「1,2,3」にもちょっと似ている。
MCはなるべく短く。
前回のライブで持ち時間を10分超過してしまって
それがまるまるMCのせいだったという反省を活かして。
で、削りに削ってこれだけは!と話したのが
ギターのネックを反らす部分の蓋の話。それ、どうでもいい(笑)
MCはさておき(笑)、後半に進むに従って、心地よさが増大する。
racoustikの世界に慣れてきたせいもあるだろうけれど、
後半の曲たちがすごく良かった。特に「たわんだ低気圧」!
10月14日にリリースする音源のタイトル曲でもあるのだけれど、
6分半もあるのにそれを感じさせない心地よさ。
休日なのに昼間から雨が降り続いていて、それを窓越しに
体育座りで眺めてぼんやりしているような、そんな時の音楽。
少しゆううつなんだけど、このままぼうっとしているのも悪くない、みたいな。
あっという間にracoustikの出番は終了。あーあ、気持ちよかった。


そして最後は宇宙遊泳。
木村氏に驚いてもらおうと転換中はフライヤーを見たりアンケートを書いたり。
満を持してスタートしたら、木村氏は何と私の位置と逆サイド。しまった!(笑)
宇宙遊泳の驚くべきところはギター、ベース、ドラム、3人とも歌うバンドってこと。
木村氏はethos時代からコーラスがきれいだったけれど、
まさかあんなに歌っているとは思わなかったなあ。
木村氏のベースはやっぱりいい。歌うように弾く。それはもう気持ちよさそうに。
そして歌も実に気持ちよさそうに伸びやかなハイトーンボイスを響かせる。
時に気持ちよすぎて筆舌に尽くしがたいすんごい顔をするけれど(笑)
でもそれだけぶっ飛んでしまえるライブって、観ていても伝わるものが違う。
ゆらゆら、ふわふわ、時にポップ、時に妖艶、時に狂気的。
ドラムの叩き方、ベースの存在感、ギターボーカルの佇まい(背格好とか、服装、髪型?)。
初恋の嵐、と言われれば彼らを彷彿とさせるものがあるような気もする。
でも私はそれよりもChesterCopperpotを思い出したな。
特に「ムーンライト」という曲が。
宇宙遊泳は最小限のバンドセットで、三者三様の美しい声も武器にする。
一音一音の存在感を大切にしている感じが伝わってくる。
だからバンドとしてそれらが一斉に鳴ったときのパワーが絶大。
私はすっかり飲み込まれてしまって、ただただ気持ち良く揺れていた。
いいバンドだな。これは観る価値がある。よりによってこのハコだったのも大正解。


終演後、阿部氏は他のお客さんと話していたので木村氏に会いに行く。
「あれ、似てるなー、でも居ねえよなと思ったらいた!」
バレバレだった(笑)でも驚いてくれてよかったー。
ずっと会っていなかったのでいろいろ話す。ライブの感想とか、幸せ太りとか、
ストライカーズを観ていることが見事にバレてることとか(笑)
Gt.ハタ氏とも話す。初対面だけど私のことを知っていた。わーい。
ハタ氏は先の一件以来、初恋の嵐が相当気に入ったらしく、
「星空のバラード」をいきなり歌いだしてどうしようかと思った(笑)
Ds.川田氏とは話せなかったけれど、3人でわいわい盛り上がっているうちに
打ち上げが始まりそうだったので慌てて撤収。
木村氏に遅い(本当に遅い)結婚祝いとして、ささやかながら花束を。
お祝いらしいお祝いなんて何もしてあげられないけれど、幸せであるように。
また来るねー!とハタ氏、木村氏に手を振って退散。
阿部氏にアンケート渡しそびれたのは残念だけれど、
racoustikも素晴らしかったのできっとまた観に行くと思う。


やっぱり初恋の嵐が引き寄せてくれた縁は大当たりだった。
初恋の嵐っぽい、ぽくないは問題じゃない。全部それっぽかったら逆に嫌でしょ。
すてきな音楽とすてきな縁がそこにあったのだから、それでいい。それがいい。
来るときは全身に疲れがあって足も痛かったはずなのに、
帰り道にはすっかり身体が軽くなって、足の痛みもなくなっていた。
気持ちの良い夜に、青山から三軒茶屋まで夜のピクニック
とっても幸せな気分。