Hummming

フンフンフン

桂歌之助の会@内幸町ホールレポ

今日は新橋の内幸町ホールで落語を観てきましたよ。
米朝事務所主催「桂歌々志改め三代目桂歌之助の会」。
千葉大落研の先輩、年始に襲名後初の上京公演です。
番組はこんな感じ。

  1. 「ごあいさつ」小佐田定雄(落語作家)
  2. 「松竹梅」柳家一琴
  3. 「くしゃみ講釈」桂小米朝
  4. 「七段目」桂歌之助
  5. 「親子酒」むかし家今松
  6. 茶の湯桂歌之助

「ごあいさつ」は小佐田氏による先代の思い出話ね。
ここでの今松さんは嫌味で感じ悪かった!アンチ上方的な!
大阪締め*1の説明をするべきか迷っていたところで
「説明しときましょうよ。分からないから、あんなの」
って冷たく言った瞬間、お客さんすらサーッと引いてた。
長ーい話をしといて大したオチもなかったりね。うううん。
小佐田氏も小佐田氏、小米朝さんを捕まえて
米朝の代わり」発言はシャレにならないでしょ。
小米朝さんは慣れている様子だったけど可哀想だった。
先代の追悼企画じゃないんだから省いてもよかったよなあ。


全体的にここ数年の落研でおなじみの噺ばかりだったので
(だって「茶の湯」は歌之助さんの影響で演ったんだもん)
現役には物足りない気持ちもあったかもしれない。
ウチらが演るより力を抜いているものも多かったしね。
でもやはり本職は動きから噺の流れから、やっぱりきれい。
変に引っかかるところがなくて、観ていて心地よかった。
まあそれは良し悪しで、悪く言えば単調だったとも思うけれど。


で、歌之助さん。
あの人は本当に座布団をはみ出すよねえ。(笑)
誰が「座布団から出ちゃいけない」って言った?ってこと。
大きな動きとコロコロ変わる表情はまるでギャグマンガのよう。
落語、特に笑い噺は芝居と違ってキメる必要はないと思う。
いかにベタに、ドタバタコメディーを作り上げるか。一人で。
それが最も顕著に表れている(と思う)のがこの「茶の湯」。
茶の湯」を観るのは今回で3度目だけどまた笑っちゃった。
これは私が好きなせいだけじゃないはず。作りが上手いんだ。
(しかも微妙にマイナーチェンジしてる気が・・・それもすごい)


それにしても、これだけ何度も高座にかけるってことは
歌之助さんも「茶の湯」を気に入っているのかもしれないなあ。
落語好きの間ではよく「誰々の何々って噺はよかった」なんて
好きな噺を噺家名指しで語ることがある*2のだけれど
私は今日思ったね。思ったっていうか決意した。
今度から「三代目桂歌之助の『茶の湯』が好き」って言おうって!
・・・まあ決意したところで何だってこともないのだけれど。(笑)
それぐらい面白いし、それぐらい好きなんだよなあ。


打ち上げでやっぱり八天師匠の話を振られ二言三言交わして解散。

*1:手締めの一種。「打ーちましょ(パンパン)も一つせ(パンパン)祝うて三度(パパンパ)おめでとうございますー(パチパチパチ)」というものらしい。

*2:例:「志ん生の『火焔太鼓』はよかったねえ」