Hummming

フンフンフン

ワイマイ友が増えた。

ワイマイに会いたくて、夜の千葉へ出掛けちゃった。
予定の8時。でも来てない。10分待ってもまだ来ない。
「もしかして今日は急遽中止!?」
心細くなってきた頃にワイマイ、到着。
「こっ、こんばんは!」『おー、こんばんはぁ』
私ったらオロオロしすぎ。だって嬉しいんだもの。

一人でワイマイを眺めてるコと目が合った。
私が軽く会釈をすると、ヒョコヒョコ、とこっちへ来た。
「ワイマイ見に来たんですか?私もなんですよ」
話によると、作草部に住む大学1年の彼女は
新星堂で“作草部ロック”という言葉に惹かれて
『ココロサスフォー』を試聴し、ファンになったとか。

…それ、私じゃん。

境遇がほとんど同じだったからビックリした。
まだライブに1度も行ったことがなくて、今日は
友達と遊んだ帰りに初めて路上を観に来たんだって。
私が初のワイマイ友(で、OK?)だって。やったー♪

「私、タニダさんの声がすごく好きなんですよー」
分かる分かる。それに皆すごく楽しそうに演るよねー。
そんな話を演奏の合間にしながら、一緒に観てた。

その間、私は少し昔の事を思い出してた。
LOOPというフォークデュオを観るために千葉へ来てた頃、
「私もファンなのぉ」って近寄ってきた、あのスリを。
まんまと盗られた私は、しばらく人間不信に陥った。
(奴は今もスリやってんのかな。やってるだろな)
だから正直、初めてワイマイファンに会う時は怖かった。
(今は大丈夫よ、皆好き好きー。)
別に信用してないわけじゃなくて。一種のトラウマ?

ライブが終わり、ワイマイとお喋りして帰る事に。
帰る途中、目の前で浮浪者らしき老人がチャリごとコケた。
しかし老人の真後ろにいた中年たちは、
何も見なかったかのようにそそくさと逃げやがった。
その後ろにいた私たちが、手を差し伸べた。
この人普通じゃない、とは思ったけど無視できなくて。
チャリを起こして、散らばった荷物を3人で拾った。
老人は「有難う、有難う」っつってたよ。すっごく嬉しそうだった。

皆、なんで助けない?とか言いつつも
普段なら助けないかもしれないけど。
ワイマイの音楽を聴いたから、そんな勇気が出たのかな。
ありがとう、ワイマイ。
そして彼女はきっと疑わなくていい人だ、そう思った。

ごんちゃん、これからもよろしくね。