Hummming

フンフンフン

3/12のこと、その1

地震のことはもう書いたのだけれど、それ以降のことも少し書いておこう。


帰りにコンビニで買い出し。水が止まってるか分からないので一応水を買う。
十分な生活ができないかもしれないので、非常食に飴とビスケットと甘納豆。
噂では聞いていたけれど、本当にパンもおにぎりもほとんどなかった。
外は本当に静かな、健やかな朝で、オールナイト明けの朝の帰り道を思った。
一つ違うのは、帰り道にも気を抜くことが許されない、という点だった。


水道も電気もガスも止まっていなかった。地震もひどくなさそうだ。
今のうちにできることを片付けてしまおう。
回収に出すつもりで乾かしていたペットボトル全部に水を汲んだ。
お米を炊いて、ちょっと面倒だけどおにぎりにした。
冷蔵庫が止まるといけないので、冷凍庫の食材でカレースープを作った。
電気ポットを満たし、飲み水も沸かして、甜茶も少し多めに作った。
溜まっていた洗濯物もひととおり洗濯機にかけた。
そこまでやって少しほっとしたのか、気がついたら眠っていた。


目が覚めて、夕方。もう日が暮れる。
昨日の友達から「家にいるのが怖いのでそっちへ行ってもいい?」と連絡。
構造的にもモノの多さ的にも安心できるような家ではないけれど、
気が休まるのなら、と迎えることにした。
福島では原子力発電所がトラブルを起こしていた。
十分な情報がなく外に出るのはためらわれたけれど、迎えに行った。
いくらかのお菓子やお惣菜と、マンガを持って来てくれた。
「ニュースばっかり聞いてるの怖いから、マンガ読もうぜ」って。
渡辺ペコと、志村志保子。すごく面白かった。街が元に戻ってきたら買おう。


そうこうしているうちに(いや、それより前に)友達はすぐ眠ってしまった。
それからは一人でマンガを読んだり、Twitterに目を通したり。
Twitterで「TBSラジオが通常放送をしている」と知り、チャンネルを変えた。
「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」。これかタマフルって。
Twitterで知ったとおり、聴取者の投稿を読んだり、音楽を流したりしていた。


「Stand up, ダンスをしたいのは誰?」


オザケンが流れた。筒美京平作曲の「強い気持ち・強い愛」。
AMラジオの音に色がついた瞬間を感じた。
私の原点は小沢健二。途方に暮れてそんなことも忘れていたのか。
私に音楽の楽しさを教えてくれた90年代の大衆音楽が、
2011年の私に元気を流し込んでくれた。


オザケン、ありがとう。宇多丸さん、ありがとう。ラジオ、ありがとう。