Hummming

フンフンフン

結局、てっぺんに行けるのはすごいことなんだよ

今、24時間テレビを見ています。


ここ何年かは「偽善だ」とか「商業チャリティー」とか言う人も多くて
まあそれは私もあえて否定しないけれど、
でも私は小さい頃からこの番組を見てきたし
グッときたこともこれまでに何度となくあったわけです。
夏休みにこの番組を見ながら夜更かしするのとか好きだったし
両親の車に乗せてもらって募金会場へ行くのも楽しみでした。
それに何だかんだ言いつつもみんな気になって結局見てるんじゃん。
それでいいんじゃないかと思っていますよ。
大きな企画だし、それ以前に仕事だし、そりゃあお金だって要るよ。
それでも結局みんな見てしまう、そんな番組を作ってる制作者の人たちは
正直に、素直に、すごいと思います。


でね、今、ゆずが出てきたんです。
リーダーはすっかりおしゃれさん決め込んじゃってるし、
岩ちゃんはいい年して前髪パッツンだし、
なんかもう私がゆずっこだった頃を思うと
「あああ」と天を仰いでしまう感じなのだけれど
10歳の若さで夭逝してしまった女の子が「栄光の架橋」を好きだった、と
同級生の子たちがお母さんのために卒業式で「栄光の架橋」を歌った、という
エピソードを聞いて、偉そうな言い方だけど、ゆずをちょっと見直しました。


栄光の架橋」って、アテネ五輪NHKが応援テーマにした曲なんですが
コラボ色満点で、大衆が泣きそうな“きれいな歌”なんですよ。
何だよこれ、と。私はこんな嘘くさい歌を聴きたいんじゃないんだ、と。
ゆずってもっとリアルな、ダサさも含めて無漂白で提供する
ミュージシャンじゃなかったのかい、と。
私は愕然としまして。当時ドン引きだったんです。


でもその曲が、こうして誰かの思い出になっている。誰かの支えになっている。
それって誰にでも簡単にできることじゃないと思うし、
ミュージシャンとして一番カッコいいなと思ったんですよね。

誰かの歌になってみたいな 誰かの言葉になってみたいな
Lucky13「つながる夜空」

自分の歌が誰かに届く、誰かの記憶になる、誰かの歌になる。
路上で歌う若者だろうが武道館を埋める大物だろうが関係なく、
音楽をやっている人たちが目指しているのってきっとそこなんじゃないかな。
ゆずも多かれ少なかれそれを夢見ていたはずだと思うと
夢を実現させた彼らはカッコいいな、本物だな、と。


横浜の路上から始めてインディーズ、メジャー、武道館。
ボイストレーニングの効果は、1枚目と比べれば素人目にも歴然。
作風が変わったのは必ずしも自分の意思じゃなかったかもしれない。
苦しいことも少なくなかったはず。それでも乗り越えて、今。
私の応援してきたゆずがしっかりと夢を掴んでテレビに映っている。
すごくうれしくなったし、また聴いてみようかな、と思いました。
「売れたからもう聴かない」なんて負け惜しみ、
リスナーとして一番カッコ悪いもんね。
努力して、いいものを作って、てっぺんを目指す人と素直に向き合いたいです。

栄光の架橋

栄光の架橋

ま、ここまできてしょっぱい歌を歌ってたら捨てますけどね!