四季を嗜む
昨日、タバコを吸う人たちが会社の非常階段に出て行くとき、
非常扉を開ける一瞬だけ蝉の声が聞こえて、(当然ながら)閉めると聞こえなくなった。
それを見て「一瞬だけ夏だったねえ!」と後輩とケラケラ笑う午後。
今、まさにそんな蝉しぐれの真っ只中に出てきて思うのは
「夏だった」瞬間だけ、生きた心地がしていたということ。
変な言い方だけど、「今、すごく呼吸をしている 感じがする」。
コンクリートの地熱を感じて、汗をかいて、花の匂いを感じて、風を切る。
はああ、(日本に住む)人間とはかくあるべきかなと。
春には春の、夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の面白みがあるから
なるべくその楽しみを享受しながら生きるようにしたいと思っていて、
今、好きな仕事をさせてもらっていながら唯一不本意なのは
季節を身体で感じることができないという、そんな些細なことだったりして。
そんな思考が一度に頭の中をばばばーって巡り巡った結果、
私の中に残ったのは只々吐き気にも似た不快感だけだった、
みたいなみたいなみたいなーー。
いや、でも気付いちゃったものはごまかしようがないから。
そこを(いい意味で)ごまかせるようになれば長生きするのだろうが。
実に惜しい、私。
午後からお休みを頂いて、暑く焼けた国道沿いを歩いて、
今は参宮橋から下北沢まで歩いてる。日も暮れてきたな。
面白い事柄に片足突っ込ませていただけそうな気配。
いや、本当に片足のつま先だけだけれども。決まったら報告します。
まあそんな面白種を今日蒔いてきて、実は明日も蒔く予定。
実るかどうか、育つかどうかなんて分からないけれども、
まずは蒔かないことには芽も出ないっつう話。先のことは芽が出た時に考えよう。
リアル「種を蒔く人」、なーんつってなー。
下北沢には思ったよりも早く着きそう。一番街は阿波踊りの支度やってるなー。