Hummming

フンフンフン

オズの魔法使い

大学時代の先輩、shioriさんと食事をした。
彼女はゼミの先生からこてんぱんに打ちのめされた私を
絶望の淵からなんとか引きずり上げてくれた。
でも単に「優しい」とかそういうのとは一線を画していて
自分が「正しい」と思う道を迷わず進める人、って感じ。
彼女と二人で食事をするのは実は初めてで、
どんな話をしようかはかりかねていたのだけれど
大学の控え室に集まっていた人たちの話や会社の話、
失恋の話やお互い各個人の話が次々にこぼれだして
まったくの杞憂だってことに気付いた。よかった。
正直、私にとって大学時代は一概に楽しいものではなく
まるで今まで避けてきた分をすべて取り戻すかのように
いろんな人からけちょんけちょんに叱られまくったり、
振ったり振られたり期待を裏切ったり裏切られたりと
この23年間において相当しんどい時期だった。
けれどもそこで学んだことや出会った人もたくさんあって
そのほとんどが良い意味で現在につながっている。
私にとって大学時代は、例えるならジェットコースターの夢。
例えるなら「オズの魔法使い」、「不思議の国のアリス」。
つらい思いばっかりしたけど楽しいこともあったし
得たものは大きかった。そんな目まぐるしい日々は遠く彼方。
だけど、夢じゃなくてよかった。shioriさんはここにいる。
そんなことを考えてたら、危うく泣きそうになった。
本当寸止め。ケーキセットとshioriさんを前に。
shioriさん、またお食事に行きましょう。


渋谷に戻ってから、会社にちょっと行く。
誰もいませんように、と祈りながらオフィスに入ると
先輩がいた。一番親しい先輩。いや、みんな親しいけど。
後輩の私が言うのも非常に失礼な話だけれど
彼女は不器用で、なかなかうまく仕事をこなせなくて
遅くまでがんばってるのに怒られていて、損な役回り。
でもがんばる。でも優しい。
いい人だなあ。
その先輩が帰って、また別の先輩たちが来た。
私はその間も黙々と仕事を続けていたのだけれど、
急にかなしくなり仕事も手に付かなくなったので、帰る。
なぜ、とか分からない。いや分かるけど分からない。
何だか無性にかなしくなったんだ。


帰りに、花を買った。
で、この間飲んだジュースの瓶に挿した。