Hummming

フンフンフン

柿喰う客第8回公演『顔に自信がある』レポ

新大久保から新宿までももつん。と徒歩で移動。
途中で不思議な路上ライブを観たり*1小劇場の話をしつつ駅へ。
別れてからもまだ時間があったので行くのは勿論、新宿TOWER。
蝉、まつき氏、椿屋と一通り聴いてテンションが上がる。
そろそろか?とモリエールへ向かうと開場直後に長蛇の列!
噂には聞いていたけれどこんなに賑わっているとは思わなかった。
向かいのdisk unionを一周して会場へ入ると既に8割の入り。
後から後から通路にまで押し込み、5分〜10分押しで開演。


今作は時事ネタ満載。舞台は日本・・・っぽい国と中国っぽい国、
韓国っぽい国、北朝鮮っぽい国(面倒くさいな!)で、
反「日本っぽい国」感情とそこに絡む人々&お国の事情を描く話。
新興宗教団体・摂理っぽい奴ら(ああもう!)による暴行事件が
話の中心に据えられており、柿のB級エログロワールドは健在。
最終的にはエロが世界を救うのです!みたいな雰囲気で
みーんな教祖に丸め込まれ平和解決・・・かと思いきや爆弾が投下。
その世界を救ったのが教祖だった。というシメ。


今回の見どころはオーディションで選ばれた主演、石黒淳士氏。
冒頭の登場シーンからクセのありそうな感じ。期待が膨らむ。
でも・・・首を少し捻りながら踵を返す猫背歩き、柿っぽいなぁ。
クセのある役は皆ああやって歩く。あれ中屋敷さんが教えてんの?
ここ最近、そーいう変な柿のクセがやたら目に付くのですが。
あと最初は出ずっぱりだった石黒氏が途中で出番ゼロに。
何、あれは彼への配慮?もしそうなら主役なんか与えんなよ。
疲れるとか台詞や場面が多いとか、そんなん観客には関係ない。
内輪同士の気遣いだったらイヤだな、と。考えすぎかしらん。
そしてもう一つ気になったのは4ヶ国対抗クイズのくだり。
強引に平和解決へまとめ上げてみんなで「ラブレボ」を歌う。
・・・え、何が楽しいの??
前回の『他人の不幸』でもあったんだよね、そんなシーン。
あの時は「ま、アリかな」と思ったけどそんな毎回やられても!
そしてハッピーエンドとかやめてよ。何ていうか、うそ臭い。
そんなうそ臭い理想を笑い飛ばす劇団だと思っていたのに。
遊んで歌ってシメるパターンと単純なハッピーエンドに飽き飽き。
完全にガッカリモードだったところで、暗転。
大型爆弾が落ちてその閃光に全人類が失明するのね。
そこに視覚障害者用の杖を鳴らしながら出てくる七味さん。
美形至上主義世界に恨みを晴らしたと言わんばかりに笑い狂う。
「教祖(石黒氏)に触られると目が治るという」
そんな噂話とともに舞台上に登場する男が七味さんにキスをし
「あなたのような美しい人が見えないなんて勿体ない」
だっけ、あーここ定かじゃないけど何か一言こぼすのよ!
で、七味さんの目が治って石黒氏がしてやったり、みたいな!!
このシーン!このシーンは好き!!
だって罪人として国際手配されてた人が救世主になるんだよ?
世界の常識を覆すような、大どんでん返しが柿の味だと思う!!
あと個人的に良かったのは佐野氏の殺陣ね。
前回出演時は記憶にも残っていないけれど今日は鮮やかだった。
場面的にもいい箇所で入ったよね。いい役だったこともありつつ。
注目の宙男さんですが、前回よりも観やすい演技だった!
彼は喋り方が特徴的で前回まで私は少し不快だったのだけれど
今日は「あ、そーいうものなんだ」って思える範囲だった。
もっとデカい役を演る彼も観てみたいな。名脇役タイプなのかな。


驚いたことに、隣に座った人が壮年の夫婦だった。
こっこんな芝居を観て後で怒りませんか!?と勝手にハラハラ。
あと驚いたのは小ネタで一斉に、たくさんの人が笑うの。
今までのお客さんは好き勝手に楽しむ、みたいな雰囲気だったのに
何だか団らん和気藹々な雰囲気で変なのー、と思ってしまった。
柿喰う客を取り巻く環境もいつの間にか変わったのねぇ。


今回は堀越が出ていないため、終演後に話しかける相手もなく。
相当良い役者さんがいたら声を掛けようと思ったのだけれど
特に伝えたいこともなかったので帰っちゃった。


今度は是非、「これだけは伝えなくちゃ!」と思わせてください。

*1:Re*Girlとかいう女性デュオがレトロ?な服を着て60年代の出来事ハイライト、みたいな歌を歌っていた。座り込んで観ている人もいるものの皆呆然、一人だけスタンディングオベーションを送る人がいたなぁ。何だったんだろうアレ・・・