Hummming

フンフンフン

教え子に未来あれ

今日から塾に復帰しましたおくさまです。
いや「復帰」っていうか通常授業が今日からなんですよ。

中3に英語を教えてやれやれ今日も授業終了…というEゼミナールに突然
塾生ではない茶髪の少年が「こんばんはー」と入ってきました。何者っ!?

Sじゃん。

彼は、永遠のプリンス・O村先生から私が引き継いだ元・教え子なのです。
春までうちのEゼミナールに来ていましたが無事高校に入学し退塾。
今は塾の裏にあるコンビニで店員のバイトしているそうです。
帰ろうとしたら雨だったので余っている傘を借りに来たのだとか。

なんだよ。久々に会ったらSのやつすっかり成長してやがる。
中学時代の仏頂面はどこへやら、愛想よく話せるようになった。
マ○コメ君みたいだった坊主頭も髪が程良く伸びてなかなかの男前。
色気づいて茶髪にしても、時折見せるはにかんだ笑顔はあの頃と同じ。
片手にはコンビニの袋を提げているのでこれは何?と尋ねると
朝から親に弁当作らせるのは悪いから学校へ昼食に持っていくとか。
心配しないでもしっかり「いいあんちゃん」になっててひと安心でした。

軽音楽部が高校で許可されないらしく、部活には入っていないそうで。
だからネットで見つけたメンバーと個人的にバンド組むらしいです。
「ライブ、私も行くからね」
なんてうっかり言ってしまいました。
そうしたら無邪気な笑顔がより一層活き活きとして、
「本当?じゃあライブ決まったら知らせるよ、
 先生にお金払わせるわけにいかないからチケットは無料で」
だってバンドの話をしているSは本当にキラキラしてたんだもの。
可愛い教え子が眩しいステージで輝いている姿、観たいじゃないですか。
行ったら素性(色々ごまかしてるんで…)がバレてしまうかもしれないけど
いつか本当に観てみたいと思っております。

「あ!明日漢字テストなんだよ…それじゃあそろそろ帰るわ」

そう言い残して、Sは小雨のぱらつく夜道へと帰っていきました。
うん、偉いぞ。勉強もそこそこやっとけよ。ガリ勉にはなんじゃねーぞ。
お前は心優しいから可愛い彼女ができるよきっと。大切にしてあげな。
「やってみたい!」と思ったらまずは何でもやってみるんだぞ。

楽しい高校生活を過ごして、いい大人になってほしい。いや、なる。
Sの背中を見送りながらそう思うY澤先生でありました。