Hummming

フンフンフン

恐怖の?ハ○モト研究室

明日の学科ゼミで、後期に行うテーマ研究の計画を
発表することになっている。
レジュメ(発表の要約)を出す必要があるので
ハ○モト先生の研究室へ行った。
彼は「Performance Studies(≒演劇学)」という
あまり耳慣れない学問を専門としていて、
狂言を研究テーマに選んだ私は
彼に詳しい話を聞くためにやって来た、というわけだ。

しかし怖い。
授業中に寝ている生徒がいようもんなら
「君、名前は?寝てるんやったら帰ってくれるか」
と冷酷に突き放し、研究とアルバイトの時間が重なれば
「研究に支障が出るくらいならバイト辞めろよ」
と怒る…と評判の先生だからだ。
確かに当然の言い分だが、大学でここまで言う人は少ない。
それだけ研究熱心な人に生半可な気持ちで会いに行けば
怒られるのは目に見えている。いや、それ以上か。
私は怯えながらドアをノックした。

失礼しまーす…
「あっ、おくさんやん。何です?」
珍風亭おくさま、先生にも前座名で呼ばれてます…。
テーマ研究について話をすると、先生は
研究の方法、論文について、狂言についてなど
意外にも優しく話してくれた。
先輩方が言っていたほど怖くなくてホッとひと安心。
しかし話も終わりに近づいてきた頃、
「本当はね、何も考えずアホみたいに
 『狂言の本って何を読んだらいいんですかぁ〜?』とか
 聞いてくるヤツなんかは即追い返すんやけど、
 君は今のところそーいう失言はないみたいやから。」

…怖っ!!

牽制球が飛んできやがった。
対ハ○モト戦、試合はまだまだこれからっす。